第02講 カウンターアプリ 印刷を御希望の方はページ一番下の「印刷用ページ」より印刷してください。
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★講義のポイント【動画】講義のポイント
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります プログラミングとは【動画】プログラミングとは(ハードウェアとソフトウェア)
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります ハードウェアとソフトウェアコンピュータはハードウェアとソフトウェアから構成されています。 ハードウェアというのは例えばCPUやHDD,メモリやマウスといったものです。詳しい仕組みを知らなくても名前を耳にしたことはあるのではないでしょうか。
しかしコンピュータはハードウェアだけでは何もできません。
例えば、皆さんはゲーム機のハードウェアを新しく買うときにゲームソフトも必ず一緒に購入するでしょう。ゲーム機(ハードウェア)だけでは遊ぶことはできません。
コンピュータの世界でも、ハードウェアがどう動くのか、何をするのかという処理の手順をソフトウェアから制御する必要があります。このソフトウェアの中核をなしているのがプログラムです。
プログラミングとは、簡単に言ってしまえばコンピュータに対して様々な「仕事」の指示を行うことです。
プログラムを書くためには英語や日本語ではなく、特別な言語が必要です。なぜなら、英語や日本語では意味があいまいすぎるからです。
しかし、コンピュータが理解できるのは"0"と"1"の二種類の数字だけです。0と1だけで構成されているプログラムは機械語と呼ばれ、コンピュータは機械語を理解して様々な処理を行うことができます。
以前は人間が0と1の機械語を直接記述している時代もありました。しかし、あまりに開発効率が悪いため機械語よりも人間の言葉に近い水準の様々なプログラミング言語が開発されました。本講座で学ぶJava言語もこのようなプログラミング言語のひとつです。 Android OSとJava言語【動画】Android OSとJava言語
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります ハードウェアの様々な機能を管理し、使いやすくするソフトウェアのことをOS(Operating System)と呼びます。パソコンでは、Microsoft社のWindowsやApple社のMac OS X,オープンソースのLinux等が有名でしょう。
“Android"や"iOS"もこれらのOSの仲間です。特徴的なところは、WindowsやOS Xと異なりモバイルプラットフォーム向けに最適化されているところです。 パソコンとは違い、モバイルデバイスは様々な制約により性能が制限されています。そのような厳しい環境でもユーザがストレスを感じずにデバイスを扱えるように、様々な工夫がなされているのです。
Androidでは、プログラミング言語としてJava言語を利用します。Java言語は、サン・マイクロシステムズ社が開発したプログラミング言語です(現在はオラクル社に買収されています)。
Java言語では、コンパイラとインタプリタという2つのソフトウェアによって、Java言語で書かれたプログラムが機械語に翻訳されています。実際のAndroid端末の中でどのように処理がおこなわれているのか詳しく知りたい人は、「Dalvik仮想マシン」というキーワードで検索してみると良いでしょう。 カウントアプリの作成プロジェクトの作成【動画】プロジェクトの作成
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります 前回のおさらいになりますが、Eclipseでプロジェクトを作りましょう。 Eclipseを起動してプロジェクトを作成します。ここでは「Counter」というプロジェクトを作成します。「File」メニュー→「New」→「Android Project」を選択します。(環境によっては「File」→「New」→「Project...」の後、「Android Project」と選択する場合もあります。どちらでも構いません。) プロジェクト新規作成ウィザード画面が表示されますので、各項目については以下のように入力して下さい。
<New Android Application(Create a new Android Application)画面入力項目>
<New Android Application(Configure Project)画面入力項目> ※何も変更せずそのまま「Next >」ボタンをクリックしてください。
<New Android Application(Configure the attributes of the icon set)画面入力項目> ※何も変更せずそのまま「Next >」ボタンをクリックしてください。
<Create Activity画面入力項目> ※何も変更せずそのまま「Next >」ボタンをクリックしてください。
<Blank Activity画面入力項目> ※何も変更せずそのまま「Next >」ボタンをクリックしてください。
ファイル構成【動画】ファイル構成
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります 前回の講義でも多少説明を行いましたが、Androidアプリケーションの開発には、大きく2種類のファイルが必要です。
Eclipseの一番左側に表示されているPackage Explorerに、先ほど作成したCounterアプリケーションが表示されているはずです。左図のように、アプリケーションを構成するファイルの中身を見るには、Counterの左側に表示されている小さな三角形をクリックして展開します。
今回作成するアプリケーションのjavaファイルは、CounterActivity.javaになります。ここに、カウンターアプリケーションの動作(例えば、+1ボタンをタップしたら画面に表示されている数字を1増加させる)を記述します。 それに対して、アプリケーションのレイアウトを記述するのはactivity_main.xmlファイルになります。ここには例えば、+1ボタンや文字を表示させるTextViewといった、様々なインターフェースの部品を記述していきます。 レイアウトファイルの編集続いて、「res」→「layout」と進み、activity_main.xmlを開いて下さい。 そして、以下のように編集を行います。グレーの背景部分を削除し、黄色の背景部分を追加してください。
res/layout/activity_main.xml
では一度実行してみましょう。このような画面になったでしょうか?
![]()
試しに+1ボタンをタップしてみましょう。ボタンがオレンジ色に変化しますね。今はまだそれ以上のことは起きません。
このように、Androidアプリケーションのレイアウトの変更を行うには、xmlファイルの編集を行います。基本的には、xmlファイルで画面のレイアウトの定義を行い、javaファイルでアプリケーションの動作の定義を行います。例えば、xmlファイルでボタンを画面に配置し、javaファイルでボタンが押されたときの動作を定義する、といった具合です。
CounterActivityの修正【動画】CounterActivityの修正
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります 前回の講義でストップボタンやスタートボタンに対して行なったのと同じように、ボタンを押した時の処理を追加します。先程はレイアウトの編集を行ったのでxmlファイルを編集しましたが、今回はアプリケーションの動作を記述するのでCounterActivity.javaファイルの編集を行います。 CounterActivity.javaファイルは、src -> com.rainbowapps.counterにあります。
![]() 変数の宣言まず変数の宣言をする必要があります。下記の黄色の部分をCounterActivity.javaに記述してください。
CounterActivity.java
しかし、黄色の部分を入力すると、以下のような画面になってしまったのではないでしょうか?
![]()
行番号の左側に(行番号がずれていても構いません)赤い☓印が表示され、TextViewやButtonという文字の下に赤い点線が表示されていますね。これは、Eclipseがプログラムのエラーを検出している合図です。Eclipseは、ユーザが入力したプログラムに対して、自動でエラーの検出を行ってくれます。
さらにEclipseは、エラーの検出を行うだけでなく、修正候補の提示まで行ってくれます。
下部に赤い点線が引かれた、TextViewの上にマウスカーソルを移動させましょう。すると、以下のような画面になるはずです。
![]()
8行目のエラーは、”TextView cannot be resolved to a type”、日本語にするとTextViewという型が見つかりません、というエラーだということがわかります。(詳しい内容はまだわからなくて大丈夫です!)そして、”7 quick fixes available”、日本語にすると7つの修正候補があります、と表示していますね。 今回はどの修正候補を選択すれば良いのでしょうか。Eclipseはあくまでユーザが間違えやすいエラーの修正候補を提示するだけなので、最終的にどれを選択するのかはユーザが決める必要があります。今回は、一番上のimport ‘TextView’を選択しましょう。すると、これまで表示されていたTextViewの下の赤い点線が消えたのではないでしょうか。
![]() 今回のエラーは、TextViewを用いるために必要な外部ファイルandroid.widget.TextView;をインポートしていないために発生していました。Eclipseが追加した行は赤枠の5行目です。表示されていない場合には、3行目の左側に表示されている小さい+ボタンを押して展開しましょう。詳しい仕組みはまだ説明できませんが、TextViewを利用する際には上記のファイルをインポートする必要がある、と覚えておいて下さい。TextViewに限らず、多くのウィジェットを利用する際には、対応するファイルのインポートが必要です、今後のアプリケーション作成においては、間違えやすいところではインポートを行うように明示しますが、明示していない場合もあるので注意しましょう。
同様に、Buttonに関するエラーを修正しましょう。先ほどと同じようにButtonという文字列の上にマウスカーソルを移動してみましょう。
![]()
上の様な画面になるはずです。先ほどと同じように修正候補が表示されますので、一番上のImport ‘button’を選択しましょう。右側の黄色い枠の中には修正後のコードが表示されています。
このように、Eclipseがエラーを検出していたら修正候補を表示させて、適切なものを選択して修正しましょう。ただ、もちろんエラーによっては修正候補が提示されないものもあります。
最終的には、以下のように4つのファイルがインポートされた状態になっているはずです。
![]() 今度は、黄色い点線が表示されており、行番号の左側には黄色いマークが表示されていますね。先ほどと同じように文字の上にカーソルを移動したり、黄色いマークをクリックしたりすると、The value of the field --- is not used.と表示されるはずです。黄色い点線やマークはエラーではなく警告を示しており、今回はTextViewやButtonが以下のコードで一度も利用されていない、という警告を表しています。この警告は、これから具体的なコードを記述することで消えますので無視して結構です。
ボタンクリック時の処理追加【動画】ボタンクリック時の処理追加
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります では具体的にアプリケーションの動作の記述を行いましょう。同じくCounterActivity.javaの以下の部分を編集します。今回はまず、+1ボタンをタップ(押す)したら画面中央に表示されている数字を1ずつ増加させるようにします。 JavaファイルのonCreate()の中を以下のように編集します。
#onCreate() CounterActivity.java
するとまた、いくつかのエラーが表示されたのではないでしょうか。
今回は、plus1Button.setOnClickListenerの左側に表示されている赤い☓の上でクリックしてみます。すると、「Import ‘View’(android.view)」という修正案が提示されるので、クリックします。すると、赤い点線が消えたのではないでしょうか。
それでは実行してみましょう。+1ボタンを押すと数字が1ずつ増加したでしょうか?
ここで、findViewByIdという命令(メソッド)を利用していますが、これはxmlファイルで宣言したTextViewやButtonといったウィジェットを、プログラムで扱えるように橋渡しするものです。今回は、findViewByIdメソッドを利用することで、xmlファイルで定義したButtonウィジェットに対して押された場合の処理を定義しています。xmlファイルで定義した非常によく登場する命令なので覚えておきましょう。例えば今回はレイアウトファイル(activity_main.xml)のなかで下記のように定義しましたよね。
res/layout/activity_main.xml
CounterActivity.javaの中で下記のプログラムを記述する事によって画面要素(今回はTextView)に対して命令を記述する事ができるようになります。
findViewByIdは今後頻繁に出てきますので覚えるようにしましょう。 リソースインデックス【動画】リソースインデックス
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります EclipseでAndroidアプリケーションのプロジェクトを作成すると、genフォルダの中にR.javaという名前のファイルが自動的に生成されます、このファイルは、リソースインデックスと呼ばれるJavaのファイルです。
![]()
現在のR.javaは以下のようになっているはずです。決して編集しないようにしてください。
R.java
リソースインデックスは、文字の色や色の大きさ、画面に配置したウィジェット等のリソースをjavaファイルの中から参照することができるようにするものです。
例えば、 今回はactivity_main.xmlの中でandroid:id=”@+id/text”と指定をしていますが、これは「TextViewのidを”text”とする」ということです。このように、xmlファイルの中で指定されたidは、javaファイルの中でR.id.___のようにして呼び出すことが可能です。今回は、R.id.textとしてandroid:id=”@+id/text”と指定したTextViewと結びつけています。 変数変数の型と宣言【動画】変数の型と宣言
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります CounterActivity.javaファイルの中で下記の行があります。これは何を意味するのでしょうか?
プログラムを実行するとき、プログラムはコンピュータに様々な値を記憶させながら処理をしています。今回であれば、何回+1ボタンが押されたのかを記憶していますね。この様な値を記憶させておく機能を変数(variable)と呼びます。要は、様々な値が入る箱です。コンピュータは様々な値を記憶するためにメモリというハードウェアを持っており、変数はメモリに記憶されます。
変数を作る際には、大きく2つのことを決めなくてはなりません。
int number;であれば、numberが変数の名前で、intが変数の型です。変数を作ることを、変数を宣言するといいます。
変数の名前は、我々が適当に選んで決める事ができます。numberでなく、goukeiやresultといった違う名前にしても構いません。ただし、完全に自由に名前がつけられるわけではありません。いくつか注意事項があります。
変数の名前は、プログラムの処理にあったわかりやすいものにしましょう。また、長さの制限はありませんがあまりに長い変数も読みづらいので避けましょう。
変数の型は、あらかじめJava言語の中で数種類用意されています。
例えば、今回利用するintという型は、-2147483648から2147483647までの整数を格納できる変数の型です。 今回は整数を利用する上に、そんなに膨大な回数+1ボタンをタップする暇な人はいないと思うので、intを利用しています。javaには他にも基本的な型(基本型)として以下のようなものがあります。
色々難しそうなことが書かれていますが、要はint,long,short,byteが整数を扱う変数で、それぞれ扱える数値の範囲が異なっています。またcharは文字を扱う変数、float,doubleが小数を扱う変数で、最後のbooleanがtrueかfalseだけが入る変数である、ということだけ頭の片隅にしまっておいてください。
変数を宣言する際には予めどの型を扱う変数なのかを決めておく必要があります。例えば下記と記述した場合、
numberには-32768から32767までの整数しか入れることができません。 0.3といった小数や、40000といったshort型で扱える範囲を超えた整数は格納できないのです。 変数の利用【動画】変数の利用
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります 変数を宣言すると、変数に値を格納することができます。これを、変数に値を代入する、といいます。
変数の代入は、=を使って表します。今回は起動時に(起動時には、onCreate()に書かれた命令が実行されます)、number = 0;として変数numberに0を代入しています。
また宣言時に、宣言と代入を同時に行うことも出来ます。
このような書き方を、変数を初期化する、といいます。
では、下記は何をしているのでしょうか?
これは、先に入っていたnumberの値に1を足しています。そうすることで、ボタンが押されるごとに1ずつ増えるという処理を実現しているのです。
また実は、number = number + 1;はnumber++;というふうにもかけます。プログラムのなかで整数に1を足す処理を行うことはとても多いので、短く楽に記述できるようになっているのです。
上記のように書き換えて、実行してみましょう。同じように動作したでしょうか。確認ができたら、number = number + 1; に一旦戻して置きましょう。
CounterActivity.java
機能の拡張-1ボタンの設置してみようでは次に、-1できるボタンを設置してみましょう。+1ボタンとは、どのように違うのでしょうか? +1ボタンは、以下の様にして作成したのでしたね。重要な部分の背景を黄色にしています。
(手順1) activity_main.xmlファイル(レイアウトファイル)に+1ボタンを定義
(手順2) CounterActivity.javaファイルの上部に、findViewById()で利用するためのButton型の変数を定義
(手順3) CounterActivity.javaファイルのonCreate()の中で、findViewByIdを利用し、レイアウトファイルと結びつけ、その後ボタンを押したときの動作を追加
では、-1ボタンを設置し、-1ボタンをタップしたら表示される数字を-1するようにしてみましょう。+1ボタンを作った時と同じように、3つのステップにわけて自分でコードを記述してみましょう。+1ボタンはそのまま残して、追加で新しく-1ボタンを作成してください。
どうしてもわからなければ、周囲のアシスタントに質問して下さい。また、早めに終わった人に相談しても良いでしょう。他人に質問をしながらでも、自分で考えてコードを書いてみることが成長につながります。
ボタンのようなインタフェースの定義は、activity_main.xmlファイルを編集するのでしたね。+1ボタンの記述の下に、-1ボタンに定義を記述します。答えは下記になります。
res/layout/activity_main.xml
android:idでボタンのIDを、android:textでボタンに表示される文字列を設定するのでしたね。今回は、minus1という名前のIDを設定しましたが、アルファベットか数字、一部の記号(アンダーバーやハイフン等)から構成されている文字列であれば、どんなIDを設定しても構いません。しかし、以下の回答はIDを”minus1”として解説していますので、他のIDを設定した場合は適宜読み替えてください。
次に、javaファイルを更新し、minus1Buttonを定義します。plus1Buttonと同じように、minus1Buttonを定義しましょう。
CounterActivity.java
最後に、onCreate()の中身を編集します。まず、findViewById()を用いてactivity_main.xmlに記述したminus1というIDをもつボタンと、先ほど定義したminus1Buttonというものを結びつけます。その後で、minus1Buttonがタップされたときの処理を記述します。
CounterActivity.java#onCreate()
実行してみましょう。うまく動いているでしょうか。正しく実行できていれば、以下のような画面になり、+1と-1が実行できるはずです。
![]() number--;はnumber = number -1;を意味しています。どんどん使ってみましょう。
クリアボタンの設置【動画】クリアボタンの設置
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります 続いて、数値のクリアを行うクリアボタンを設置しましょう。手順はプラスやマイナスの時と同じです。 先ほど行った手順を手がかりに、コードを記述しましょう。まずは、レイアウトの編集を行い、新たにボタンを追加します。
res/layout/activity_main.xml
次に、CounterActivity.javaファイルを更新します。まずは、findViewById()で結びつけるために新しいButtonを定義しonCreate()のなかでfindViewById()を実行し、clearButtonがタップされたときの動作を記述するのでした。
CounterActivity.java
CounterActivity.java#onCreate()
以下のような画面になったでしょうか。
![]() 条件分岐【動画】条件分岐
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります 変数の意味は理解できたでしょうか?次は、条件分岐について学習を行います。条件分岐というと難しく感じられますが、
というようにもし〜だったら、〜をするという処理を条件分岐と呼びます。
今回は、変数numberの数に応じて文字の色を変えていきたいと思います。 条件はなんでも良いのですが、今回は10以上になったら文字色を赤に、-10以下になったら文字色を青にしてみましょう。
このような条件分岐にはif文を使います。
上記のルールでif文を使います。今回は「numberが10以上であれば文字を赤にする」という命令を書きたいので下記のように記述します。
また、{}に囲われた部分をそれまでの部分より段落を下げてコードを見やすくすることを、インデントを行う、といいます。
Eclipseを使っている場合、自動的にインデントを行なってくれます。きちんとインデントされていないと、どこまでが条件文なのかよくわからなくなってしまうので、きちんとインデントを行うようにしましょう。インデントには一般的にスペースではなく、Tabキーを使います。
また、一括でソースコードのインデントを揃える(コード整形する)ショートカットは下記になります。
「>=」の部分は比較演算子といって、左辺が右辺以上の場合に正しいと判定します。他にも以下のような比較演算子があります。
<比較演算子の種類>
「trueを返す」というのはその条件にあてはまっている、という意味です。条件にあてはまっていない場合には、falseを返します。そして、if文の( )の中の条件がtrueの場合に、{ }で囲まれた中のプログラムが実行されます。 if文を使って文字の色を変化させる【動画】if文を使って文字の色を変化させる
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります では「numberが-10以下の場合に文字の色を青くする」の条件文は、どのようになるでしょうか?
答えは下記になります。
下記では、-10未満の場合の条件になってしまうので注意して下さい。
numberが10以上の場合に文字の色を赤く、-10以下の場合に文字の色を青くする【動画】numberが10以上の場合に文字を赤、10以下の場合に文字を青にする
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります では、この条件文は、CounterActivity.javaのどこに追加すれば良いのでしょうか?考えてみましょう。 これまでは、ボタンがタップされた際にとしてcountTextに表示される数値を書き換えていました。今回は、数値を書き換えるだけでなく、色を変更する必要があります。
10以上の場合に文字を赤くする
10以上、ということはつまり0から+1ボタンを10回押したときに文字の色を赤くしたい、ということですね。そこで、+1ボタンが押された際に変数numberの値を調べ、10以上だったら色を赤くするようにします。
CounterActivity.java#onCreate()
黄色の部分を追記すると、エラーが発生すると思います。授業の最初のほうでやったことを思い出しし、android.graphics.Colorをインポートしましょう。
![]()
-10以下の場合に文字を青くする
-10になるということは、-9の時に-1ボタンをタップしたということですね。先ほどは+1ボタンが押された際に条件分岐をさせましたが、今度は-1ボタンが押された際に条件分岐をさせます。
実行してみましょう。以下のようになったでしょうか。
![]() ![]() if文を使ってコードを整理する【動画】if文を使ってコードを整理する
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります コードはこのままでもいいのですが、if文を使うとボタンがクリックされたあとの処理をまとめてきれいに書く事ができます。まず、以下の部分を追記します。
CounterActivity.java
すると、OnClickListenerでエラーが検出されるので、左側の☓印をクリックしましょう。
![]() すると、このように表示されるので、上位のImport ‘OnClickListener’ (android.view.View)をクリックします。 ※‘OnClickListener’ (android.content.DialogInterface)と間違えないようにしてください。
すると今度は、CounterActivityでエラーが検出されると思うので、同じく左側の☓印をクリックして一番上の選択肢 「”Add Implemented Methods”」をクリックしましょう。
![]() すると、CounterActivity.javaの下部に以下のようなコードが追加されていると思います。
もし、以下のようになっている場合には”arg0”を”v”に書き換えましょう。
これまでは、下記のようにボタンごとにonClick()というメソッド(これが、ボタンがタップされたときに呼び出されます)を記述していました。
if文を用いることでひとつのonClick()の中に全てのボタンの処理をまとめることが可能です。先ほどEclipseが生成した public void onClick(View v) { }の中を以下のように書き換えます。
CounterActivity.java#onClick()
また、onCreate()を以下のように変更します。
再度実行してみましょう。先ほどのコードと、処理の内容は基本的には変わっていませんが、だいぶすっきりしました。(クリアボタンを押したときに文字の色を白に戻すようにだけ追加しました。)
onCreate()は起動時に呼ばれるものでしたが、新たに記述したonClick()はボタンがタップされたときに呼ばれるものです。どのボタンが押されても呼び出されるので、ボタンに設定しているIDを取得して条件分岐を行なっています。ボタンのIDは、レイアウトファイル(res/layout/activity_main.xml)のなかで以下のように指定しています。
v.getId()というのは、タップされたボタンのIDを取得する命令です。 「==」というのも「<=」と同じ比較演算子で、==の左右が等しい場合にtrue、と判定します。 また、else ifというのは、ifと共に用いることで複数の条件判定を行うことができます。
重要な構文なので覚えておきましょう。今回は下記のように記述しています。最後のelseはなくても構わないので、今回は記述していません。
論理演算子【動画】論理演算子
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります では次に、-9から9までの間は文字の色を白にするようにしましょう。 numberが-9から9までの間は〜をする、という条件分岐はどのようになるでしょうか?
-10以下の場合文字を青にする場合のif文は、以下でしたね。
-9から9までの間は文字を白にする
答えは、この様になります。
if文の中にif文が入っていますね。このように、複数のif文を入れ子のようにして用いることも可能です。 しかし、このような記述はどんな条件の時に一番内側のプログラムが実行されるのかわかりづらいですね。
また、多くの人は以下のようなコードを想像したのではないでしょうか。
数学では、このように値域を記述しますね。しかし、このような記述は、多くのプログラミング言語では実行できません。しかし、多くのプログラミング言語には複数の条件を記述するために論理演算子というものが用意されています。
例えば、課題5を、論理演算子を用いて書き直すと以下のようになります。
では、以下の部分に上記のコードを追記しましょう。
CounterActivity.java#onClick()
メソッド【動画】メソッド
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります 複数の処理をひとつにまとめたものを、メソッドと呼びます。これまでは「命令」といっていたものも、Javaでは全て「メソッド」です。
例えば、setContentView()はレイアウトファイル(xml)を指定するメソッドです。
今回は、R.layout.mainを指定しているので、resフォルダの中のlayoutフォルダの中にあるactivity_main.xmlがレイアウトファイルとして読み込まれ、画面が構成されているのです。
また、findViewById()はxmlファイルで宣言したButton等をプログラムで扱えるようにするメソッドです。そもそも、onCreate()自体がアプリケーションの開始時に呼ばれるメソッドだったのです。
先程のコードではという全く同じコードが2箇所に書かれていました。
今度はメソッドを使って、これを1つにしてみましょう。メソッドを使って処理をまとめることを、「メソッドを定義する」といいます。
今回は、updateText()という名前のメソッドを、先ほど定義したonClick()メソッドの下部に定義しましょう。updateText()メソッドはその名の通り、TextViewに表示する数値や、色を更新するメソッドです。先程の色を白くするコードだけでなく、表示する数値や色に関する処理は、全てこのメソッドの中で行うようにしましょう。
これまでは複数の場所にわかれていたメソッドを、一つにまとめることができました。 このメソッドを使って、CounterActivity.javaを以下のように書き換えます。
CounterActivity.java#onClick,updateText()
先ほど習ったif-else構文がまた登場しましたね。どのボタンがタップされても色のチェックは行いたいので、updateText()はif文の中に入れていません。privateやvoidの意味については今後説明していきます。 Switch-case文【動画】Switch-case文
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります 条件分岐には、if-else文の他にもswitch-case文という種類も存在します。Switch-case文は、以下のようになります。
switch文は、if文では冗長になってしまうような条件分岐を、すっきりとわかりやすく書けるという特徴があります。
例えば、変数numberが1の時は赤、2のときは青、3の時はグレー、4のときはシアン、5の時は黄色、6の時はマゼンタ、7の時は緑というように色を変化させる場合、if文ではどのように記述するでしょうか?(以下はあくまで例なので、コードは書き換えないでください)
今回は==比較演算子を使っています。==は、左右の辺が等しいかを調べる比較演算子でしたね。たくさんのelse ifが並んでわかり辛いですよね。switch文を使えば、同じコードがすっきりと書けます。
では、switch文を用いて色の指定を行うメソッド、updateTextBySwitch()を定義してみましょう。onClick()メソッド以下に追加します。
CounterActivity.java
ぱっと見たときに、何をやっているのかわかりやすいのではないでしょうか? では、定義したupdateTextBySwitch()メソッドを、updateText()メソッドの代わりに利用してみましょう。
CounterActivity.java#onCreate()
実際に実行してみます。1-7まで順番に色が変化するでしょうか。 switch文を使うときの注意事項は、必ずbreak;を挿入する必要があるということです。break;は以降の処理を行わない、という役割を持っています。break;がないとどうなるでしょうか?試してみましょう。 コメント【動画】コメント
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります このくらいの規模のプログラムなら良いのですが、プログラムの規模が大きくなってくると、どこで何の処理を行っているのかわからなくなってきます。
いくらJava言語が機械語に比べて人間の言語に近いとはいっても、ぱっと見ただけで処理の内容を理解することは難しいのです。
そこでJava言語を含むプログラミング言語には、コメントという機能がついています。コメント部分は、コンパイラによって無視されるため機械語に翻訳されません。 Javaでは、以下の2種類のコメント記法を用いることが多いです。
上の「//」は、その行の「//」以降に書かれた文章をコメントにします。また、「/*〜*/」は複数行をコメントとして扱う場合に使います。多くのプログラマは、変数の宣言時やメソッドの定義時にコメントを書きます。
例えば今回のプログラムでは、
と書いておけば変数numberの役割を整理しやすいですし、
というように記述しておけばメソッドの役割を、中のコードを読まなくても把握でき、開発効率を上げることができるでしょう。細かいテクニックですが、きれいなコードを書く上では重要なテクニックなので、覚えておいてください。 文字列【動画】文字列
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります Javaでは、文字列を以下のようにして扱うことが出来ます。
これは、String型の変数str(本当は変数ではありません、オブジェクトですがまだちゃんと説明をしていないので、変数として話を進めます)に"Hello"という文字列を代入しています。このようにJavaでは、文字列は"(ダブルクオーテーション)で囲う事によって表現します。そして、TextViewやButtonには、文字列を設定することができます。
setTextメソッドは、その名のとおりTextViewに文字列を設定するメソッドです。
のようにすることで、plus1ボタンの文字を従来の+1からプラス1に書き換える事が出来ます。
また、下記のように直接文字列を記述することも可能です。
では、int型の変数numberのように文字列以外の変数を表示させたい場合は、どうすれば良いのでしょうか? これまでの例では、
としてきました。これは何をしているのでしょうか?実はこの行は、
と記述することも出来ます。Integer.toString( int型の変数 )でint型の変数が文字列型の変数に変換されるのです。 ただ、このように記述すると冗長なので、
と記述しています。これは、int型(整数)と""(1文字も入っていませんが、空白の文字列型)を足し算すると、int型の整数が文字列型に変換される、というテクニックを利用しています。
大変良く利用するテクニックなので、覚えておきましょう。
レイアウト【動画】レイアウト
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります LinearLayout最後に、レイアウトについて学習をしましょう。 Androidには標準でいくつかのレイアウトが用意されています。その中でも今回はLinearLayoutというレイアウトを利用しています。 activity_main.xmlの冒頭には以下のような記述がありました。
res/layout/activity_main.xml
LinearLayoutは、TextViewやButtonといった要素を縦方向(vertical)や横方向(horizontal)に並べるためのレイアウトです。 どちらの向きに並べるのかを、android:orientationで指定します。今回は、縦方向に並べるためにverticalを利用していました。では、android:orientationをhorizontalにしたらどのようになるでしょうか。やってみましょう。
![]()
このようになったでしょうか?先程までは縦方向に並んでいたものが横方向に並ぶのがわかると思います。 でも今回は、TextViewだけは別の段に表示したいですよね。そのような場合には、2重にLinarLayoutを用います。 activity_main.xmlを以下のように書き換えましょう。
res/layout/activity_main.xml
LinearLayoutを2重に用いていることの意味がわかるでしょうか。全体としては、縦方向(vertical)に並べていますが、3つのButtonに関しては横方向(horizontal)に並べています。
![]() fill_parentとwrap_content【動画】fill_parentとwrap_content
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります しかし、ボタンの右側に大きな空白ができていますね。これは、Buttonのandroid:layout_widthとしてwrap_contentを指定しているためです。
TextViewやButtonはandroid:layout_widthやlayout_heightを指定することで、要素の幅(width)や高さ(height)を指定することが可能です。指定の方法としては、"100px"のように直接ピクセル数で指定をすることも可能です。試しに下記としてみましょう。
clearボタンの高さが100pxに設定されました。
![]()
しかしこのようなピクセル数を直接指定する設定方法には問題があります。Android端末の画面サイズは様々です。そのため、直接ピクセル数で大きさを指定してしまうと、端末によっては余計な空白ができてしまったり、画面サイズをオーバーしてしまうこともあります。
そこでAndroidには、wrap_contentとfill_parentという便利な指定方法が用意されています。
wrap_contentは、その要素が必要とする文のサイズにする、という意味です。難しく感じられうかもしれませんが、+1やClearといった文字列の長さに応じてボタンの幅が変化していることがわかると思います。
一方、fill_parentは親要素いっぱいのサイズにする、ということです。ちょっと難しいと思うので実際にやってみましょう。
今度は、右側の空白がClearボタンによって覆われたのではないでしょうか。
![]() これは、android:layout_widthとしてfill_parentを指定したためです。fill_parentでは親要素(今回であればLinearLayout)を覆う長さに設定されますから、空白部分にボタンが伸びたのです。
layout_weightを使った分割表示【動画】layout_weightを使った分割表示
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります では、3つのボタン全てを横に均等に表示させたいと思います。 android:layout_width="fill_parent"を指定したらどうなるでしょうか。
res/layout/activity_main.xml
結論からいえば、+1ボタンに覆われて他の2つのボタンが消えてしまいます。
これを防ぐには、android:layout_weightプロパティを利用します。以下のように設定してみましょう。
どうなりましたか?横方向に3つのボタンが均等に並んだと思います。
![]()
android:layout_weightプロパティは要素の表示比率を指定(余白の分割比)するもので、今回であれば画面の幅を1:1:1の比率で割るという意味になります。 ※ここでlayout_widthを"0dip"としているのは、layout_weightは「余白」の分割比を指定するものなので横幅を0dipで余白を親要素いっぱいにしてそれをlayout_widthの分割比率でそれぞれの要素を表示させる必要があるためです。
試しに、1:1:2の割合で表示するようにしてみましょう。
res/layout/activity_main.xml
ちゃんと1:1:2の割合で表示されたでしょうか。
では最後に、以下のような画面を構成してみましょう。 では最後に、以下のようなレイアウトになるように、xmlファイルを編集しましょう。
![]()
上の画面のようにするため、activity_main.xmlを修正していきます。
res/layout/activity_main.xml
以上でカウントアプリは完成です。Androidは画面レイアウトの設計が少々難しいですが、色々試してみてください。
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